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【パワハラで退職】後悔しないためにやるべきこと・注意点を徹底解説

【パワハラによる退職】やるべきことや会社都合にする方法を徹底解説!

「パワハラを理由に退職できる?」
「退職に向けて何をすればいいのか分からない」
「そもそも退職を伝えにくい…」

パワハラを受けた場合、労働裁判所や労働組合などの専門機関によりパワハラ認定が下りれば、会社都合で退職することが可能です。失業保険も自己都合退職より手厚くなります。

しかし、具体的にどうすればパワハラ認定が下りて会社都合退職できるのか、後悔しない退職をするには何をしておくべきかが分からず、退職に踏みきれないケースも少なくありません。

そこで本記事では、パワハラの定義や認定方法から、退職前にやっておくべきことを徹底解説していきます。退職に追い込まれている場合の対処方法も紹介しているので、ぜひご参考ください。

こんにちは!株式会社Wizで人事責任者をしている荻久保(@ogikubo)です。

パワハラを受けている場合、証拠の収集や就業規則の確認など、退職前にやっておくべきことはたくさんあります。

自分の権利を守り、主張するためにも、しっかり把握しておきましょう!

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目次

パワハラを受けた場合の退職理由は何になるか

パワハラを受けた場合の退職理由は何になるか

パワハラ認定がおりれば「会社都合退職」になる

パワハラを受けた場合、労働裁判所や労働組合などの専門機関によりパワハラ認定が下りれば、会社都合で退職することが可能です。

パワハラの定義
  • 優越的な関係にもとづいて行われること
  • 業務の適正な範囲を超えて行われること
  • 身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること

パワーハラスメントが認定されるかどうかは、労働者が提出した証拠や証言にかかっており、証拠不十分であれば訴えを却下されてしまうケースもあります。

パワハラの被害を主張する場合は、証拠の収集や適切な手続きに従って主張を証明する必要がある点を把握しておきましょう。

退職勧奨で自己都合退職しても変更できるケースがある

会社からの「辞めてくれ」という呼びかけに応じて自己都合退職したあとでも、会社都合退職に変更できるケースがあります。

例えば、「退職届や自己都合へのサインを強要された」「退職届だと認識がないままサインしてしまった」などの場合です。

会社都合への変更には、音声の録音やメールの保存など証拠が必要になります。情報が多いほど変更できる可能性が高まるので、意識的に証拠を収集しておきましょう。

そもそも会社都合と自己都合の違いとは?

会社都合退職と自己都合退職は、退職の原因や責任の所在が異なります

会社都合退職
・企業が経済的な理由や業務上の必要性に基づいて従業員を解雇した場合
・業績悪化に伴う人員削減/事業の再編成/業務の自動化など

自己都合退職
・従業員が自分の意思で辞職し、会社に対して退職の意向を表明した場合
・他のキャリアへの転職/家庭の事情/健康上の理由/個人的な目標の達成など

企業によっては、会社都合退職として処理すると助成金が受けとれないため、労働者に自己都合退職を勧奨・強要するケースがあります。

自己都合での退職を迫られたときの対処法

自己都合での退職を迫られたときは、以下の方法で対処しましょう。

自己都合での退職を迫られたときの対処法
法的根拠を求める・会話を録音する

企業や個人が行動する際には、その行動が法律や規制に適合している必要があります。

法的根拠が不明確な場合や疑問が生じた場合、違法である可能性があるので、録音をしておくと有利です。

会社への質問内容
・なぜ会社都合退職にならないのか
・パワハラをした人物の異動・対処は考えていないのか
・パワハラの内容に対して、会社側はどう考えているのか

パワハラを受けた証拠を提出する

具体的な証拠があれば、会社や労働組合などの関係機関に対して、パワハラの事実を証明できます。

ただし、証拠は信頼性の高いものでなければなりません。映像・音声・文書・証言・メモなどあらゆる証拠を収集しておくことで、強力な立証ができるでしょう。

離職理由説明書と申立書をハローワークに提出する

離職理由説明書と申立書をハローワークに提出することで、退職後に会社都合に変更できます。

パワハラにより退職したことを証拠とともにハローワークに伝えることが大切です。

パワハラで会社都合退職すると失業保険が手厚くなる

パワハラで会社都合退職すると失業保険が手厚くなる

失業保険をすぐに受給できる

退職理由初回受給日
自己都合退職7日+2か月後
会社都合退職7日後

パワハラで会社都合退職する場合は、失業保険の受給資格が決定した日から7日間の待期期間後に受給できます。

自己都合の場合は7日間の待期期間+2か月後なので、退職後の経済的な負担を減らせる点では「会社都合」の方が有利でしょう。

失業保険の給付日数が長くなる

会社都合退職の場合は「特定受給資格者」にあたり、自己都合退職に比べて失業保険の給付日数が長くなります

スクロールできます
雇用保険の
加入期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満120日180日210日240日
35歳以上45歳未満120日240日270日
45歳以上60歳未満180日240日270日330日
60歳以上65歳未満 150日180日210日240日
会社都合退職の失業保険 給付日数
スクロールできます
雇用保険の
加入期間
1年未満1年以上
10年未満
1年以上
10年未満
20年以上
全年齢共通なし90日120日150日
自己都合退職の失業保険 給付日数

パワハラで会社都合退職すると、失業保険を「すぐに」かつ「長期間にわたって」受給できます。以下の記事で詳しい手続き方法を事前に確認しておきましょう!

パワハラによる退職で会社に請求できるものは主に4つ

パワハラによる退職で会社に請求できるものは主に4つ

解雇手当や退職金

パワハラによる退職は、労働者の自己責任ではなく、労働条件や職場環境が適切でないために退職せざるを得ない状況を意味します。

そのため、会社に退職金制度がある場合に限り、解雇手当や退職金を求めることが可能です。会社都合退職であれば、退職金の割り増しや追加の補償があるケースもあります。

必要な時に権利を主張できるよう、まずは就業規則や退職金制度を確認し、その内容や条件を把握しておきましょう。

未払い賃金や残業代

パワハラによる退職を余儀なくされた場合、未払いの賃金や残業代などを請求できます。労働法により労働者は正当な賃金を受け取る権利があるためです。

パワハラが理由でも権利は依然として保護されるので、会社に請求しても取り合われない場合は、労働組合や専門機関に相談し、助言や支援を求めるようにしましょう。

労働災害保険

労働者がパワハラによって精神的な苦痛やストレスを経験した場合、「労働災害」と見なされ労働災害保険を受給できる可能性があります。

労働災害保険は、労働者が労働災害や職業病によって発生した障害や死亡に対する補償を提供する制度です。労働者は、パワハラを含む精神的な苦痛に対する補償を求めることができます。

労働災害保険の受給要件
  • うつ病やストレス反応など精神疾患を発症していると診断されたこと
  • 発症前おおむね6ヵ月間に業務による強いストレスを受けたこと
  • 職場以外の心理的負荷によって発症したものではないこと

精神的苦痛の損害賠償

パワハラにより精神的な苦痛やストレスを経験した場合、会社に対して精神的苦痛の損害賠償を請求することが可能です。

損害賠償額は被害の程度や法的基準に応じて決定されますが、相場は50万円〜100万円とされています

ただ、損害賠償を得るには、労働者側で十分な証拠を提出する必要があるので、証拠の収集や弁護士への相談をしてから請求を検討しましょう。

損害賠償の判例

実際にパワハラで損害賠償が認められた事案を紹介します。

松蔭学園事件

高等学校が女性教諭に対して行った、授業・担任等の仕事外し、職員室内での隔離、別の部屋への隔離、自宅研修等の命令や、一時金の不支給・賃金の据置は違法であり、これら違法行為により精神的苦痛を与えたことから、高等学校を経営する学校法人は600万円(※地裁では400万円)の損害賠償義務を負う。

裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団

A保険会社上司(損害賠償)事件

本件メールの表現において許容限度を超え、著しく相当性を欠くものであって、不法行為を構成する、とした上で、送信の目的、表現方法、送信範囲等を総合すると、賠償金額としては、5万円が相当と判断した。

裁判例を見てみよう|あかるい職場応援

JR東日本(本荘保線区)事件

上司が労働者に対して命じた就業規則書き写し等の教育訓練は、目的や態様において不当なものであり、労働者に肉体的・精神的苦痛を与えてその人格権を侵害する違法なものであるとして、上司の不法行為責任及び使用者の使用者責任を認め、連帯して20万円の慰謝料及び5万円の弁護士費用の支払いを命じた。

裁判例を見てみようあかるい職場応援

今の状態はパワハラ?指導?定義をチェック

パワーハラスメントの定義

厚生労働省ではパワーハラスメントを以下のように定義しています。

パワーハラスメントの定義
  • 優越的な関係にもとづいて行われること
  • 業務の適正な範囲を超えて行われること
  • 身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること

優越的な関係とは、職場における上下関係に限らず、業務をする上で必要な知識や経験も含みます

例えば、当人が何らかの優れた能力を故意に利用した場合、部下であればパワーハラスメントとして、同僚であればいじめとして認められるので認識しておきましょう。

パワハラと判断される6つの行為類型

パワハラには6つの行為類型があります。自分が受けていることが「パワハラに該当するのか」「どの行為類型なのか」をチェックしておきましょう!

パワハラと判断される6つの行為類型
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身体的な攻撃殴打、足蹴りなどの暴行・傷害
精神的な攻撃人格否定・脅迫・暴言など
人間関係からの切り離し隔離・仲間外し・無視
過大な要求業務に関係ない/遂行不可能なことの強制・仕事の妨害
過小な要求能力や経験とかけ離れたレベルの低い仕事を与える
個の侵害職場内外での継続的な監視・私的なことへの過度な立ち入り

6つの行為類型に当てはまりそうな行為であっても、パワハラの3つの定義いずれかを欠く場合は「パワハラ」と認められない可能性があります。

パワハラと判断されない例

労働者がパワハラと感じても、パワハラと判断されないケースもあります。結局はケースごとに判断されるので、自分で判断するのは難しいと言えるでしょう。

とはいえ、パワハラの定義やパターンを知っておけば、判断する材料が増えることは間違いないです。自己防衛や適切な対処を行うための重要な手がかりとなります。

パワハラと判断されない例
  • 顧客からの苦情を受けたため、声の出し方や目標設定の仕方を指導
  • 販売担当者が販売実績を知らないことに対して「把握して」と注意
  • 不正経理の是正命令をしても1年以上成果が出ないことに対して𠮟責
  • 至急の業務を命令したあと、部下が進捗報告をしなかったことを𠮟責
  • 経営上の理由により、管理職を一斉降格

従業員の成長や業務の改善を目的として、適切に行われるものであれば「パワハラ」とみなされません。

パワハラ認定には「証拠」が必要

パワハラ認定の際には、パワハラとなる言動が本当にあったのか否かを調査する必要があるため、証拠が必要不可欠です。

パワハラはその場その場で起こることなので、証拠を意識的に収集しないと証拠不十分でパワハラと認められません。

「パワハラでは?」と感じたら、記憶が薄れないうちにメモをしたり、録音の準備をしておきましょう。

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証拠を残す方法信用性を高める方法
録音する・録音データを切り取らない
・前後関係が分かるようにする
防犯カメラなどの動画・画像を保存
関係者の証言を録音・記録
メモをとる・日記を書く・日時・内容を詳細に書く
・日常に関することも書く
・毎日、継続的に書く
・修正できないペンで書く
メールに書いて他の人に知らせる・時間をおかずにすぐ知らせる
パワハラに関連する文書・書類の保存

パワハラは多くの職場で見られる社会的問題

パワハラは多くの職場で見られる社会的問題

パワハラの相談がある企業割合は48.2%

厚生労働省の調査によれば、過去3年間でパワハラの相談がある企業割合は48.2%と、ハラスメントの中で最も高いです。

相談件数のうちパワハラに該当すると判断された事案は7割のため、労働者の「パワハラでは?」と感じれば「パワハラ」に該当する可能性が十分にあります

上司に毎日どなられる、けなされる、否定される、無視されるといった毎日が続くようであれば、まずは信頼できる機関に相談して自己防衛をしましょう。

パワハラでは精神的な攻撃(74.5%)が一番多いです。指導以上の言葉は暴力になるので、自分を守るためにも「指導に必要な言葉なのか」と疑ってみる必要があります。

パワハラを知っても何もしない会社は47.1%

厚生労働省の調査では、パワハラを知っても何もしない企業割合は47.1%ということも分かっています。

パワハラに対して無関心、あるいは許容していたり、法的リスクを回避しようとしていたりする会社が多いのが事実です。

会社を信頼できない状態であれば、外部の相談窓口を利用して適切なサポートやアドバイスを受けましょう

パワハラを「パワハラ」と認識することが大事

上司との関係でなんとなくつらい状況が続いてる場合は、まずは「パワハラを受けているのかもしれない」と認識することが大事です。

人は心を守るためにつらい気持ちを押し殺してしまうため、自分が受けていることがパワハラなのか、そうでないのかが分からなくなってしまうことも少なくありません。

ストレスが蓄積すれば、うつ病や適応障害など精神的な病気にかかる可能性も十分にあります。自分のしんどさを無視せずに今からできることをやっていきましょう。

「自分が悪い」「根性がない」「ガマンしないと」と自分を追いつめるのは得策ではありません。精神をこわされる前に一歩ずつ動いていくことが大切です。

パワハラで退職する前にやっておきたい3つのこと

パワハラで退職する前にやっておきたい3つのこと

相談窓口を利用してみる

パワハラで本当に退職するべきか、何か対処できないかなどと悩んでいる場合は、社内や社外の相談窓口を利用してみましょう。

相談窓口では匿名で相談できる安心感がある他、支援やアドバイスを提供してくれるため、適切な対処法やとるべきステップを知ることができます。

パワハラ対策の基盤ができている会社であれば人事部や社内相談窓口を、できていない会社であれば外部相談窓口を利用するのがおすすめです。

相談窓口一覧:自分の状況に合わせて選択しよう
スクロールできます
社内相談窓口・人事部・適切な対処でパワハラを中止できる
組織の利益を最優先する可能性がある
ほっとライン・パワハラを含むあらゆる労働問題の相談を対応
・法的な立場から問題を解決/無料
総合労働相談コーナー・パワハラを含むあらゆる労働問題の相談を対応
・無料/予約不要/秘密厳守
みんなの人権110番・パワハラを含むあらゆる人権問題の相談を対応
・調査・救済措置・アフターケアを行う
弁護士・法律事務所・損害賠償を請求したい場合に有効
・法テラスであれば最適な相談窓口を無料案内

会社の就業規則を確認しておく

パワハラ防止法の施行により会社の就業規則には、パワハラの定義や対処方法などが記載されているため、退職前に確認しておきましょう。

会社の就業規則を確認しておけば、会社が適切な措置をとったのかの判断と、必要な場合に自らの権利を主張できます。

就業規則には退職金や未払いの残業代などに関する規定も定められているので、自身の権利を守るためにも内容や手続きを把握しておくことが大切です。

休職を検討してみる

パワハラによって精神的・身体的な負担が大きい場合は、退職する前に休職を検討してみるのも選択肢の一つです。

休職をとることで一時的に労働環境から離れ、心身の回復や対処の余裕をもてたり、適切な対処策を考える時間も得られたりします。退職への考えが変わっていたというケースも少なくありません。

パワハラにより心身の負担がある場合は、「辞めたい」気持ち一色になりやすいですが、後悔しないためにも「休職」の道を視野にいれてみましょう。

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パワハラを理由に退職する際、後悔しないための注意点

パワハラを理由に退職する際、後悔しないための注意点

転職先を見つけておく

パワハラを理由に退職する前に、転職先を決めておくと精神的・経済的な負担を軽減できます。

「パワハラから早く離れたい」という気持ちに任せて退職した場合、就職先探しに苦戦したり、貯金の切り崩し生活にストレスを感じたりする可能性が高いです。

無理のない範囲で転職活動を進めておけば、退職後の生活やキャリアの移行がスムーズに行われ、前向きな気持ちでスタートできるでしょう。

転職活動では、自己分析や求人探しで時間と手間がかかります。

「仕事が忙しい」「予定調整が難しい」といった場合は、転職エージェントを活用するのも一つの手です。

相性就職」であれば、適職診断で自分に本当にあった環境や仕事を見つけられます。気軽に相談から始めてみましょう。

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有給休暇を取得しておく

退職する前に、未消化の有給休暇を取得することが賢明です。未払いの給与を受け取れる上、心身のリフレッシュにも役立ちます

「パワハラ上司と顔を合わせたくない」「職場の人と気まずい」という思いがあれば、退職届を提出しつつ有給休暇を消化しましょう。上司や同僚と会うことなく退職できます。

1か月前まで退職願いを出す

退職する意向を上司や人事部に伝える際は、できるだけ早く、かつ1か月前までの余裕をもって退職願いを提出するのがおすすめです。

法律上は「退職日2週間前まで」に意思表示をすれば退職できますが、期間に余裕をもつことで会社やチームに十分な引き継ぎをする時間を確保できます

「周囲に負担をかけたくない」という思いや、期間に余裕をもてる気力がある場合は、1か月前まで退職願いを出すようにしましょう。

退職届の理由に「一身上の都合」と書かない

パワハラを理由に退職する場合、退職届の理由には「一身上の都合」と書かずに、空白にするか、具体的な理由を書くようにしましょう。

「一身上の都合」と書くと自己都合による退職として扱われ、会社都合退職としての補償が得られなくなる可能性があるからです。

退職届の理由にパワハラの内容・頻度や心身の症状などを具体的に書けば、補償や法的な措置を求めるための証拠にもなります。退職理由は慎重に書きましょう。

退職願と退職届の違いは?

退職願は退職の意思を伝える通知書であり、退職届はその後の手続きを行うための正式な文書です。
退職願は通常、退職届の提出の前に提出され、退職届は退職が確定した後に提出されます。

退職意思を伝えるのが怖い場合は退職代行を検討する

パワハラや職場のトラブルなど、退職を伝えることが難しい状況の場合、退職代行サービスの利用を検討しましょう。

法的な観点や適切な手続きを遵守しながら、退職手続きを代行してもらうことで、ストレスやトラブルを軽減できます。

ただ、退職代行サービスには一定の費用がかかったり、違法性のある業者が存在したりします。費用や業者の信頼性などを考慮した上で、適切な選択をすることが重要です。

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労災認定に必要な診断書を準備する

パワハラによる退職が労災認定される場合もあるため、医師の診断書や精神科の診断書など、必要な書類を準備しておくことが重要です。労災認定の手続きをスムーズに進められます。

労災認定が下りれば、経済的な補償や医療費の支援、リハビリテーションの支援など、生活や健康の安定を図ることが可能です。

業務によるストレスで精神疾患を発症している場合は、認定要件を満たしているかの確認と、診断書の準備をしておきましょう。

労災保険とは?認定基準もチェック

労災保険は、労働者が業務中や通勤途中に負った事故や、業務上のストレスなどによって生じた精神的な疾患に対して、医療費や休業手当などを補償する制度です。パワハラによる精神的な疾患も補償の対象となります。

労災の認定要件
  • うつ病やストレス反応など精神疾患を発症していると診断されたこと
  • 発症前おおむね6ヵ月間に業務による強いストレスを受けたこと
  • 職場以外の心理的負荷によって発症したものではないこと

労災認定のハードルは高い

パワハラによる労災認定を得るには、事実の裏付けとなる書類や証拠が必須のため、認定のハードルが高い傾向にあります。

書類や証拠が不十分であれば、労災とは認定されずに請求を却下されてしまうケースも多いです。人に話しておくといった方法も「書類・要件がすべて」である労災認定にとっては効果的ではありません。

パワハラはその場その場で起きることで「証拠を集めにくい」といった特徴がありますが、文字という形に残して意識的に証拠を収集しておきましょう。

パワハラの証拠を残しておく方法
  • メモをとる
  • ICレコーダーで記録をとる
  • メールに書いて他の人に知らせる・保存する
  • 他の同僚や関係者の証言を録音・記録する
  • パワハラに関連する文書・書類をすべて保存する
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パワハラで退職を勧奨・強要されたら?対処法を解説

パワハラで退職を勧奨・強要されたら?
  • 退職勧奨に応じる義務はない
  • 退職勧奨に応じる場合は交渉する
  • 追い込み退職は「退職強要」となり違法性がある

退職勧奨に応じる義務はない

パワハラで退職を勧奨されたとしても、労働者に応じる義務はありません。会社側が一方的な意思表示で労働契約を解消しようすることは、法律によって制限されているためです。

会社側が一方的に労働契約を解消するのは違法性があり、「辞めてくれないか」と労働者に持ちかけるのは違法性がないということを認識しておきましょう。

退職勧奨に応じる場合は交渉する

パワハラや不適切な労働環境からの脱出手段として、退職勧奨に応じて退職することも一つの選択肢です。応じる際には、退職理由や退職条件についての交渉が欠かせません。

「会社都合退職にできないか」「退職金の増額ができないか」と少しでも有利な条件を求める交渉をして、自己の利益を最大限に守るようにしましょう。

追い込み退職は「退職強要」となり違法性がある

退職勧奨が執拗、かつ労働者の雇用を脅かすものになった場合は、「退職強要」となり違法性があります。

どこからが退職勧奨で、どこからが退職強要にあたるかの明確な基準はないため、自身での判断は難しいのですが、労働者が耐えられないと感じれば「退職強要」になる可能性が高いです。

退職勧奨がしつこい、強制されていると感じた場合は、音声の録音や相談窓口を利用し、早急に対処しましょう。

パワハラで退職は悔しい!健全に仕返しをする方法

パワハラに対して仕返しをしたい場合は、自分の立場が危なくならないように行うことが大切です。

上司の実名をさらして誹謗中傷をするのは名誉棄損や侮辱罪になったり、仕事を放棄するのは懲戒解雇になったりするリスクが高まります。

上司に健全に仕返しをする方法
  • パワハラの客観的証拠とともに、人事に退職届を出す
  • パワハラされた人たちと一斉退職する(上司が多忙になる)
  • 労働基準監督署にパワハラの相談をする(脅迫や暴行は違反行為)
  • パワハラを退職理由に、退職代行を使って辞める

人事や労基署に相談し、退職することが一番効果的です。客観的証拠もあれば、上司の人事評価が下がったり、人事異動が出されたりする可能性があります。

パワハラが原因の転職理由/退職理由の伝え方と例文

パワハラを転職理由/退職理由にする際は、以下の3点に気を付けて伝えましょう。

伝え方のポイントと例文
  • 感情表現は避け、事実を簡潔に伝える
  • 状況を改善しようと行動したことを伝える
  • 転職してどうなりたいかを伝える

例:私が退職した理由は、前職においてパワーハラスメントにより労働環境の悪化していたためです。労働環境を改善するために、上司との対話や社員との連携を試みましたが、「チームワークは必要ない」と意見を聞き入れてもらえませんでした。
結果として、職場環境の改善が見込めないと判断し、退職を決断しました。今後は、生産的な職場で業務効率化を図り、貴社に貢献したいと考えています。

ただ、退職理由でパワハラを挙げる場合、「本人にも問題があるのでは?」「自社でもすぐに辞めてしまうのでは?」とネガティブ印象を与える可能性があります。

転職先はあくまで志望者の採用メリットを知りたいため、どうしても必要な場合だけパワハラの実態に触れるようにするのがおすすめです。

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パワハラによる退職についてよくある質問

パワハラで退職した場合、損害賠償の相場はどれくらい?

損害賠償の相場は、具体的な事情や被害の程度によって異なりますが、「50万~100万円程度」が相場です。

損害賠償をもらえたとしても、弁護士費用は50~100万円が一般的なので、少しのプラスになるか、あるいは費用が上回りマイナスになる可能性もあります。

パワハラを理由に即日退職はできる?

パワハラを理由に即日退職できる可能性はあります

民法628条に「やむを得ない理由であれば即日退職できる」と定められているからです。とはいえ、個々の状況によって認められないケースもあるので、まずは相談窓口や労働組合に相談しましょう。

やむを得ない理由で即日退職する際の条件例
  • 労働者が業務遂行が不可能な状況にあること
  • 労働者が適切な対処を行ったにもかかわらず問題が解決しなかったこと
  • 違法行為や不正が業務に深刻な影響を与える場合、かつ他の対処手段が効果的ではない場合
  • 労働者の安全や健康が脅かされる状況にあること
パワハラ上司に退職を伝えるには?

パワハラ上司に退職を伝えるには、冷静かつ明確に退職理由を説明することが大切です。直接退職を伝えるのが難しい場合は、人事部や労働組合などの第三者を介入させることも検討しましょう。

パワハラで退職した際、失業保険はもらえる?

パワハラで退職した際、失業保険をもらうことが可能です。

パワハラ認定が下りた場合は「会社都合退職」、自分から会社を辞めた場合は「自己都合退職」となり、会社都合退職の方が失業保険が手厚くなります。

パワハラで退職した悔しい思いをどうしたらいい?

悔しい思いや復讐心があるかもしれませんが、仕返しは自分の立場を危なくしたり、問題をさらに悪化させたりする可能性があるのでおすすめしません。その代わりに、自分自身の成長や幸福に焦点を当てることが重要です。

パワハラの労災は退職後も申請可能?

パワハラの労災は退職後も申請可能です。労災申請をする際に以下のような点に注意しましょう。

労災申請をする際の注意点
  • 申請期限の確認|早めに申請することが大切
  • 医師の診断書の提出|申請に必要な書類を揃える
  • パワーハラスメントの証明|証言や証拠、医師の診断書など
退職後に必要な手続きは?

退職後は以下の手続きが必要です。

退職に必要な手続き
健康保険に関する手続きをする

前職で加入していた健康保険は使えなくなります。「国民健康保険に加入する」「家族の健康保険の被扶養者となる」「会社の健康保険を任意継続する」のいずれかの手続きを進めましょう。

離職票の受け取り

退職後、雇用主から離職票を受け取ります。離職票には、雇用期間・給与・退職理由などの情報が含まれており、次の雇用先で使うため保管しておきましょう。

失業保険の申請

申請には、離職票や身分証明書などの書類が必要になります。失業保険の受給条件や手続きについて以下で確認しておきましょう。

退職金の受給

退職金が支給される場合、手続きを行いましょう。退職金の支給方法や支給時期については、雇用契約や企業の規定に従って手続きを進めます。

パワハラが原因で入社から一年未満に退職した場合、失業保険は受け取れる?

パワハラが原因で入社から一年未満に退職した場合、「特定理由離職者として認められ」「被保険者期間が通算して6か月以上」あれば、失業保険は受け取れます

失業保険の受給資格
  • 就職の意思があり、すぐ働ける状態だが職業に就けない状態であること
  • 離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること
  • 特定理由離職者の場合:離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あること

まとめ:パワハラによる退職について

今回は、パワハラによる退職について解説しました。

パワハラを受けた場合、労働裁判所や労働組合などの専門機関によりパワハラ認定が下りれば、会社都合で退職することが可能です

パワハラの定義
優越的な関係にもとづいて行われること
業務の適正な範囲を超えて行われること
身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること

パワーハラスメントが認定されるかどうかは、労働者が提出した証拠や証言にかかっており、証拠不十分であれば訴えを却下されてしまうケースもあります。

自分の権利を守るためにも、退職前にやっておくべきことを少しずつ始めていきましょう。

退職前にやっておくべきこと
  • 相談窓口を利用してみる
  • 会社の就業規則を確認しておく
  • 休職を検討してみる
  • 転職先を見つけておく
  • 有給休暇を取得しておく
  • 1か月前まで退職願いを出す
  • 退職届の理由に「一身上の都合」と書かない
  • 退職意思を伝えるのが怖い場合は退職代行を検討する
  • 労災認定に必要な診断書を準備する

退職後、転職先が決まっている状態であれば、精神的・経済的に安定します。
仕事をしながらの転職活動に不安がある場合は、「相性就職」を活用してみるのがおすすめす。
自分に合う職場環境・仕事内容を効率的に見つけられます。まずは気軽に相談してみましょう!

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荻久保健一のアバター 荻久保健一 株式会社Wiz 取締役CHRO/株式会社Personal 代表取締役

IT系ベンチャー数社でマーケティングからWeb制作、子会社代表等幅広く経験。
その後人材系ベンチャーでCMOを経て、現在は年間数万人が応募するITの総合商社で取締役CHROをやりながら、株式会社Personal代表取締役として、すべての人に相性がいい適職を紹介する「相性就職パーソナルファイル」を運営しています。

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