フリーターは一人暮らしできる？初期費用や1ヵ月の生活費などお金の疑問について解説！

実家暮らしをしているフリーターの中には、自由な生活を送れる一人暮らしに憧れている人もいるでしょう。

しかし、一人暮らしを始めるには部屋を借りる必要があるため、初期費用を貯める必要があります。

また、一人暮らしを始めたら生活費をすべて自分で負担することになるため、1ヵ月の生活費はどのくらいかかるかあらかじめ知っておくことも大切です。

では、一人暮らしするにはどのくらいの収入や貯金があればよいのでしょうか？

一人暮らししたいフリーターが不安に感じること3つ

それぞれ詳しく確認していきましょう。

①お金はどのくらいかかるか

項目	相場	内容
敷金	家賃の1～2ヵ月分	・原状回復費用に充てられる預け金 ・必要なければ退去時に返還される
礼金	家賃の1ヵ月分	・大家さんへのお礼 ・礼金なしの部屋もあり
仲介手数料	家賃の0.5ヵ月～1ヵ月分	・不動産会社への報酬
前家賃・日割り家賃	家賃の1ヵ月分	・入居する月の家賃を前払いで支払う ・月の途中で入居する場合は日割りで支払う
鍵の交換費用	1～2万円	・防犯上、鍵の交換を希望した場合に必要 ・前の入居者が合鍵を持っている可能性があるため交換した方がよい
火災保険料	1～2万円	・火災に備えて賃貸契約時に加入する
保証料	家賃の0.5～1ヵ月分	・家賃保証会社を利用する場合に必要 ・家賃を払えなかったときに立て替えてもらえる ・1～2年ごとに更新がある

初期費用の相場は家賃の4〜6ヵ月分で、一般的に賃貸契約を結ぶときに支払います。

たとえば家賃が6万円であれば24万〜36万円程度、8万円であれば32万円〜48万円が目安です。

この他にも、一人暮らしを始めるには引越し費用や家電・家具の購入費用などがかかります。

一人暮らしの引越し料金の相場は4〜7万円程度です。

料金は荷物の量や移動距離、時期によって異なるため、荷物が多い人や引越し先が遠距離の場合は相場より高くなります。

引越しは5月〜1月が閑散期、2月〜4月が繁忙期のため、時期にこだわらないのであれば閑散期を選んで引越すと費用を節約できます。

②入居審査に通るのか

一人暮らしで賃貸にかかる費用をお伝えしましたが、そもそもフリーターは入居審査に通るのか不安に感じている人もいるでしょう。

まずは家賃の支払い能力があるかチェックされます。一般的に家賃は手取りの3分の1が目安です。

フリーターは正社員に比べて収入が安定していないため、できるだけ家賃の低い物件を選んだ方が審査に通りやすくなります。

また、両親や親族に連帯保証人になってもらうと、借主が家賃を滞納した際は代わりに支払う義務を負うことになるため、不動産会社や大家さんに安心してもらえます。

人柄や性格などもチェックされるため、良い印象を持ってもらえるように注意しておきましょう。人柄が重視されるのは、入居後にルールを破ったりトラブルを起こしたりしては困るからです。電話対応や入居前の面談時は、丁寧な言葉遣いや誠実な態度が大切です。

③親の扶養は外れるのか

年収を抑えたら一人暮らしをしても親の扶養に入れますが、家賃や光熱費、食費など1ヵ月の生活費を考えると、収入を抑えたまま一人暮らしをするのは現実的ではありません。

収入が増えると税金や保険料のことも考える必要があります。

年収	支払いが発生する税金・社会保険料
100万円～	住民税
103万円～	所得税
106万円～	社会保険料（一定の条件を満たしたとき）
130万円～	社会保険料または国民年金、国民健康保険

フリーターの年収が106万円を超えて、一定の条件を満たした場合は社会保険（厚生年金・健康保険）に加入し、保険料を納めることになります。

一定の条件とは以下の通りです。

参考：厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」

年収が130万円を超える場合は社会保険の扶養から外れます。

勤め先の従業員数が50人以下（2024年10月〜）で、年収106万円の壁に関係しなかった人も、自分で社会保険料を支払うことになります。

会社の社会保険に加入できない場合は、国民年金と国民健康保険に加入する必要があり、毎月納付しなければいけません。

一人暮らしを始めるためには生活費を稼がなくてはいけないため、収入アップを考える人も多いのではないでしょうか。

しかし、これまで親の扶養に入っていた人は、収入が増えると税金や社会保険料の負担が発生することも頭に入れておきましょう。

20代フリーターが一人暮らしすると生活費はいくらかかる？

総務省が実施している家計調査「1世帯当たり1か月間の収入と支出」による単身身世帯（34歳以下）を参考に、住居費以外の主な生活費の平均額をご紹介します。

項目	平均金額（1ヵ月あたり）
食費	40,659円
水道光熱費	5,274円
家具・家事用品	5,774円
被服及び履物費	8,525円
保険医療費	4,269円
交通・通信費	15,662円
教育娯楽費	17,844円
諸雑費	12,512円
交際費	10,444円

不動産情報サイト「suumo」が20代社会人シングル男女を対象に調査した「20代社会人シングル男女の一人暮らしデータ2021」によれば、家賃は6万〜7万円が全体の4割以上を占めています。

家賃が6万円とすれば、1ヵ月に必要な生活費は18万円ほどになる計算です。

ただし、家賃は手取りの30％が目安といわれています。

手取りが20万円であれば家賃が6万円の部屋は妥当ですが、手取りがもう少し低い場合は収入に見合った物件を探すことが大切です。

たとえば手取りが17万円であれば、51,000円が目安になります。

家賃が高すぎると他の生活費を削ることになり、生活が苦しくなってしまいます。

収入に対して家賃が高すぎない物件を選びましょう。

フリーターが安心して一人暮らしをするためのポイント

①家賃が安い物件を探す

フリーターの生活費の中でも、占める割合が高いのが家賃です。

家賃が高いと必然的に入居時の初期費用も高くなってしまいます。

家賃の目安は一般的に収入の3割程度が望ましいとされていますが、まずは現在の収入から生活費の予算を考えて、残った金額から適切な家賃を割り出しましょう。

一人暮らしの部屋選びには築浅・駅近・好立地・バストイレ別などさまざまな希望条件があるものですが、多少妥協すると家賃が安い物件が見つかります。

家賃は固定費なので毎月決まった金額を支払うことになります。

せっかく一人暮らしを始めても、生活がカツカツで「欲しいものを何も買えない」「食事や飲みに誘われても断るしかない」といった生活では寂しいものです。

②節約する

まずは毎月必ずかかる固定費です。

家賃の他にはスマホ代や光熱費などがあります。

スマホは現代の生活になくてはならない存在ですが「格安SIMを選ぶ」「料金プランを見直す」など節約できないか検討しましょう。

光熱費は節電・節水に心がけ、電気のつけっぱなしや水の出しっぱなしなどムダがないようにしましょう。

次に見直したいのが食費です。

外食が続くと食費がかかるため、できるだけ自炊しましょう。

バイトで疲れて帰ってから食事の準備をするのは面倒…と思う人もいるでしょうが、休日に作り置きしておけばレンジでチンするだけで食べられます。

冷凍も上手に活用すれば、食費を抑えながらスピーディーに食事の準備ができます。

娯楽費や交際費は減らそうと思えば減らせますが、あまりに減らすと味気ない生活になってしまいます。

ある程度は確保できるように固定費や外食費を節約できないか検討しましょう。

③収入を増やす

時給の高いアルバイトを探す方法もありますが、アルバイトは同じ仕事を長く続けても時給がほとんど上がりません。

一方、正社員は毎月の給料以外にも各種手当やボーナスが支給され、定期的な昇給もあります。

フリーターは正規雇用に比べると勤務日や勤務時間に融通がききやすく、働き方の自由度が高いことがメリットですが、収入が少なく安定していません。

一人暮らしをするなら、正社員として就職することを検討した方がよいでしょう。

フリーターが正社員になるメリット

収入が高く安定している

正社員と非正規雇用ではどのくらいの賃金差があるか、厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」の中から20代と30代の賃金を確認してみましょう。

年齢	合計		男性		女性
	正社員	非正規	正規	非正規	正規	非正規
20～24歳	228,700円	194,800円	232,200円	202,000円	224,800円	189,800円
25～29歳	263,600円	216,400円	271,400円	229,100円	252,600円	206,800円
30～34歳	294,100円	221,400円	307,000円	238,100円	270,200円	210,500円
35～39歳	327,000円	220,500円	344,800円	241,400円	286,400円	207,600円

20代前半の場合、正社員と非正規の賃金差は約3万円ですが、年齢が上がるごとに賃金差が広がってきます。

また、20代前半と30代後半を比較した場合、正社員は約10万円の差がありますが、非正規はわずか3万円ほどです。

フリーターを長く続けても収入はほとんど上がりません。

時給が高いアルバイトもあるため、20代前半の頃はフリーターの方が稼げるケースもあります。

しかし、正社員は長く勤めると昇給によって給料が上がる傾向なので、年齢が上がるごとに正社員と非正規の賃金差はどんどん広がっていきます。

さらに正社員にはボーナスも支給されるため、年収で考えても正社員の方が稼げます。

また、正社員になれば毎月一定の給料が支給されます。

基本的に月給制なので、祝日が多く、勤務日数が少ない月でも一定の給料が保証されています。

毎月の収入が安定していることも正社員のメリットです。

参考：【2024年最新】フリーターにもおすすめ！未経験でもできる仕事15選！正社員への就職方法やコツまで解説！

雇用が安定している

正社員は雇用期間が決められていないため、長く働きたければ定年まで勤められます。

会社の経営難によるリストラや倒産など、よほどのことがない限り仕事を失う心配もありません。

有期雇用契約を結ぶフリーターよりも雇用が安定しています。

社会的信用を得られる

正社員になると社会的信用を得られることも大きなメリットです。

フリーターは「賃貸住宅を借りにくい」「クレジットカードやローンの審査が通りにくい」などのデメリットがありますが、正社員になれば審査に通りやすくなります。

車を購入するときや、結婚してマイホームを購入したいときも、社会的信用があればローンを利用しやすいでしょう。

社会保険に加入できる

正社員になれば社会保険に加入できます。

社会保険とは「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」です。

フリーターも社会保険に加入できる場合がありますが、一定の条件を満たさなくては加入できません。

社会保険に加入すると、保険料の半分を企業が負担してくれます。

国民健康保険や国民年金は全額自費で支払うため、支払いが軽くなります。

また、厚生年金保険に加入すると、将来受け取る年金が多くなるメリットもあります。

フリーターが正社員になる方法

自分にとって利用しやすい方法で就職先を探しましょう。

アルバイト先の正社員登用制度を利用する

アルバイト先に正社員登用制度があるか確認しましょう。

正社員登用制度とは、非正規雇用者を正社員として登用する制度です。

正社員として登用されれば、現在のアルバイト先でそのまま社員として働けます。

社風や職場の人間関係などは普通であれば入社しなければわかりませんが、正社員登用制度を利用すれば、職場の雰囲気を理解したうえで入社できるメリットがあります。

正社員として登用される条件があるため、上司に確認してみましょう。

求人サイトで探す

求人サイトを利用して正社員の仕事を探す方法もあります。

勤務地や職種など、希望条件を入力すれば希望に合った求人を効率よく探し出せます。

「経験不問」「未経験可」と入力して検索すれば、正社員経験がないフリーターも採用してもらいやすい仕事を見つけやすいでしょう。

ハローワークで相談する

ハローワークは地域の求人を豊富に取り扱っているため、地元で就職しやすい人におすすめの方法です。

求人紹介だけでなく、職業相談や書類添削、面接対策などの就職支援も行っているため、積極的に活用してはいかがでしょうか。

就職エージェントを利用する

転職エージェントを利用すれば、プロのキャリアアドバイザーが就職活動をサポートしてくれます。

求人の紹介や応募書類の添削、面接対策に加え、企業との条件交渉、面接や入社日の日次調整まで幅広くサポートしてもらえます。

転職エージェントにはそれぞれ特徴があるため、第二新卒やフリーターなど20代の転職に強いエージェントを選びましょう。

フリーターの一人暮らしに関するよくある質問

フリーターの一人暮らし　まとめ

フリーターでも一人暮らしは可能ですが、部屋を借りるときの初期費用や、一人暮らしを始めてからの生活費がどのくらいかかるか把握しておくことが大切です。

せっかく一人暮らしを始めたのに、お金が足りなくて生活していけない…となっては困ります。

収入の範囲で生活できるようにできるだけ家賃を抑え、食費や光熱費、スマホ代などの節約を実践しましょう。

フリーターが安定した収入を得るには、正社員になるのがおすすめです。

20代前半では正社員との賃金差をあまり感じなくても、年齢が上がれば大きな差が生まれます。

将来のことを考えても、就職しやすい20代のうちに正社員の仕事を探した方がよいでしょう。

若年層の転職に強いサービスもあるため、上手に利用して就職を成功させましょう。

参考：月給25万の年収や手取りは？家賃はいくらがベスト？気になる生活レベルを解説！｜CAREER BIBLE