転職活動で、自分は何を求めているのか分からず迷っている
仕事で本当にやりがいを感じられる仕事って、一体どんな仕事だろう
自分の強みや価値観を活かせる仕事を見つけたいけど、どうすればいいか分からない
皆さんの中にはこのような悩みをお持ちではありませんか?
転職活動は、人生における大きな転換期。自分にとって最適な仕事を見つけ、充実したキャリアを築くために、しっかりと準備することが重要です。
そこで役立つのが、「キャリアアンカー」という考え方です。
キャリアアンカーとは、仕事を選ぶ際に重視する価値観や重要視する要素のこと。
自分のキャリアアンカーを理解することで、仕事に対する自分の軸が明確になり、転職活動がスムーズに進みます。
こんにちは!
株式会社Wizで人事責任者をしている荻久保(@ogikubo)です。
みなさんは「キャリアアンカー」という言葉を知っていますか?
今回は、キャリアアンカーについて、8つのタイプや診断方法、適職探しでの活用法を解説してみたいと思います。タイプ別に転職活動のポイントも紹介しているので、転職で悩んでいる方に必見の内容です!
キャリアアンカーを知ることで、「自分のブレない軸」を把握できるメリットがありますが、「どのような軸タイプがあるのか」「転職でどのように活用するのか」わからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、キャリアアンカーについて、8つのタイプや診断方法、適職探しでの活用法を徹底解説していきます。
- 自分のキャリアを導く軸となる価値観や動機を指す
- キャリアの選択や意思決定の際に、重要な判断基準となる
- 自分の強みや価値観を明確にし、仕事におけるモチベーションの源泉を知ることができる
- キャリア・アンカーに合った仕事や環境を選ぶことで、長期的なキャリアの満足度が高まる
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キャリアアンカーとは?
キャリアアンカーとは、個人がキャリアを形成する際に、譲ることのできない「価値観」や「欲求」「コアコンピタンス(能力)」などを人生の錨(アンカー)として例えた言葉です。
築き上げてきたキャリアに基づいてキャリアアンカーが一度形成されると、周囲の環境やライフステージなどに左右されにくく、生涯にわたって自分の働き方の軸になると言われています。
そのため、なるべく早いタイミングで軸(キャリアアンカー)を理解しておくことで、自分に合ったキャリアや働き方を選択する際に活用できます。
キャリアアンカーは、マサチューセッツ工科大学ビジネススクールの組織心理学者であるエドガー・H・シャイン教授が提唱しているキャリア理論の概念です。
キャリアアンカーには、大きく分けて8つの種類があります。
後ほど詳しく説明しますが、例えばこんなイメージです。
- 専門性を重視する人は、エンジニアや研究者など、特定の専門分野を深く追求できる仕事を選びがちです。
- 管理能力を重視する人は、マネージャーやリーダーなど、人をまとめ、組織を導く役割を担う仕事に興味を持つ傾向があります。
- 独立性を重視する人は、フリーランスや起業家など、自分のペースで自由に働ける仕事に魅力を感じるかもしれません。
キャリアアンカーを知る意味
自分に合った働き方を見つけるため
キャリアアンカーを知ると、自分が働くうえで大切にしたい要素が見えてくるので、希望や価値観に合った職場選びができます。
具体的には、「給与の水準」「ワークライフバランスが重視できるか」といった要素が挙げられます。
自分に合わない働き方をすると、ストレスを抱えたり思い描く生活ができなかったりするので、満足度の高い働き方をするためにも、キャリアアンカーを知ることは大切です。
ミスマッチを防ぎ、社員のパフォーマンスが最大化するため
企業が従業員のキャリアアンカーを知ることで、「プロジェクトを任せられるか」「事務系の仕事が合っているか」などの判断を、適正に基づいて行えます。
社員それぞれが大切にしている価値観や考え方に合わせて、適切な人員配置が可能になるので、ミスマッチを防いで社員のパフォーマンスを最大化できます。
離職率を改善するため
企業が従業員のキャリアアンカーを知ることで、能力に合った人事配置がしやすくなります。
適材適所が実現すると、社員一人ひとりのモチベーションアップや成果アップに繋がるため、結果として離職率の低下も期待できます。
能力のある人材が離職すると、一部業務の生産性低下や、新たな人材採用コストの発生を招くため、会社の損失回避においても、社員のキャリアアンカーを把握することは重要です。
キャリアアンカーが生まれた背景
キャリアアンカーという概念が生まれた背景には、「人材流動性の高まり」や「個人の仕事観の変化」といった背景があります。
具体的には、より自分に合った仕事・環境を求めて転職する人が増えたことや、ワークライフバランスを重視する風潮が高まったことなどが挙げられます。
上記のような変化によって、「自分自身は何を大切にしてどのように働きたいか」把握したうえでの適職選びがますます重要視されているのです。
- 企業とのミスマッチ
- 人材流動性の高まり
- 個人の仕事観の変化
キャリアアンカーと間違えやすい用語
- プランドハップンスタンス
-
プランドハップンスタンスとは、「計画された偶然」や「計画的偶発性理論」などと訳される理論のことです。
偶然起きた出来事がキャリア形成に繋がるからといって受け身になるのではなく、主体的かつ積極的に行動することで、キャリアアップにつなげられるという考え方です。
- キャリアサバイバル
-
キャリアサバイバルとは、環境や組織のニーズを分析し、個人のキャリアアンカーと組織のニーズを調和させる考え方です。
キャリアサバイバルでは、個人のキャリアアンカーを把握したうえで、「社員の価値観が企業の成長にどう貢献できるか」という点も重要視されます。
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キャリアアンカーの3つの要素
キャリアアンカーには、「コンピタンス」「動機」「価値観」という3つの要素があります。
3要素の重なる部分をキャリアンカーとすることで、仕事に対する満足度が高まり、継続して自発的に業務に取り組めるでしょう。
コンピタンス(できること・能力)
コンピタンスとは、キャリアにおいて「自分にできること」、すなわち「自身が持つスキルや知識」を指します。
つまり、コンピタンスを理解することで、仕事をする上での強みが把握できます。
具体的には、「相手を説得する能力」「素早い事務処理」といったスキルや、「簿記2級」「宅建」などの資格・知識が挙げられます。
例えば、「私は何が得意なのか」「自分にできることは何か」「私は何を成し遂げることができるのか」といった問いに答えることで、コンピタンスを明らかにできます。
資格やスキルだけでなく、明るい人柄や誰とでも話せるコミュニケーション能力も強みに当てはまります。
動機(やりたいこと・欲求)
動機は、キャリアにおいて「自分がやりたいこと」「成し遂げたいこと」などを指します。
具体的には、「営業職をやりたい」「インフラ業界で働きたい」など、自己実現に向けた欲求が挙げられます。
例えば、「私は何に取り組むことで満足感を得るのか」「どのような人物になりたいのか」「どのような人生を送りたいのか」といった問いに答えることで、自己の動機を明らかにできます。
価値観(やるべきこと・義務)
キャリアアンカーにおける価値観とは、仕事をする上で自分が大切にしている「信念」や「理想」を指します。
すなわち、「何をやっている自分に意味や価値を感じるのか」把握するための要素です。
具体的には、「新しいアイデアを企画する仕事」「チームをサポートする役割」といった要素が挙げられます。
例えば、「仕事において最も重要な信念は何か」「周囲から求められていることは何か」「今すべきことは何か」といった問いに答えることで、自己の価値観を明らかにできます。
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キャリアアンカーの8つの分類と適職
①経営管理能力(General Managerial Competence)
経営管理能力は、「出世思考が強い」「チームをまとめたい」タイプです。
リーダーとしてチームをまとめたり、部長や課長など管理職まで上り詰めることに充実感を覚えます。
経営管理能力 | |
タイプの特徴 | 出世思考が強い、チームをまとめたい |
目標 | 管理職や経営者を目指す |
価値観 | 経営側に立つ事に価値を見出す |
思考 | スケールの大きな仕事がしたい 組織を動かしたい 責任を引き受け成長したい 若いうちは異動も積極的に受け入れる 資格取得や自己研鑽にも積極的に取り組む |
経営管理能力タイプは、誰かの世話や問題解決なども好きな傾向があります。
「経営管理能力」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 管理職
- コンサルタント
- 企画(経営企画、事業統括など)
- 店舗管理(SV、店長など)
- 投資ファンド
経営管理能力タイプの方は、年功序列制を採用している企業よりも、成果次第で昇進できる成果主義制を採用している企業に転職するのがおすすめです。
また、成果主義の企業を見極める際は、「若いうちから管理職に就いている方がいるかどうか」についても目を向けてみましょう。
②専門・職能別能力(Technical/Functional Competence)
専門・職能別能力は、「専門家として能力を発揮したい」タイプです。
自分の才能をフルで発揮し、専門性を高めていくことに満足感を覚えます。
専門・職能別能力 | |
タイプの特徴 | 専門家として能力を発揮したい、正確かつ生産性の高い仕事ができる |
目標 | 昇進して管理職になるよりも、現場の仕事を続けたい |
価値観 | 特定の分野で高い才能と意欲を持つことに価値を見出す |
思考 | 特定の分野でスペシャリストとして活躍したい 専門技術や知識について誰にも負けたくない 能力を存分に発揮できない業務に異動すると、やりがいを見失い満足度が低下する |
「専門・職能別能力」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 研究職
- エンジニア
- 公認会計士
- 弁護士
- 出版編集
- 技能工
- アスリート
- 金融専門職
- エコノミスト
- データサイエンティスト
専門・職能別能力タイプの方は、社内のキャリアパスで、「管理職コース」か「エキスパート・専門職コース」か、選択できる企業を選ぶのがおすすめです。
転職する際は、専門性を高めるために努力を続け、常に新しいことを吸収できる部分をアピールしましょう。
③保障・安定(Security/Stability)
保障・安定は、「安定した仕事や報酬など、安定性を最も重視する」タイプです。
安全で確実と感じられ、将来が見通すことができ、ゆったりとした気持ちで仕事に取り組みたいと考えます。
保障・安定 | |
タイプの特徴 | 安定した仕事や報酬を重視する |
目標 | 雇用保障や終身雇用、福利厚生の充実にこだわり、大企業や公務員として働くことを目指す |
価値観 | ゆったりとした気持ちで仕事に就きたい リスクや挑戦よりも堅実で安定的なキャリアを求める 社会人生活を一つの企業で全うする |
思考 | 将来が見通せる安定性 予測が可能な範囲で仕事したい リスク回避が最優先 大きな変化を嫌うため、今までのキャリアと異なる働き方や部署異動に抵抗を感じる 堅実な転職先が用意されていない限りは転職を考える事はあまりない |
「保障・安定」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 公務員
- 団体職員
- 学校関係
- バックオフィス部門(経理、総務、法務など)
- 大企業・上場企業・設立年数が長い企業
保障・安定タイプの方は、「厳しいノルマがない」「年功序列の要素が強い」「離職率が低い」というポイントで企業を探すのがおすすめです。
また「リスク回避することを優先する」特徴から、危機管理業務やリスクマネジメント業務に向いている人が多いので、転職の際は先述の分野も検討してみましょう。
④起業家的創造性(Entrepreneurial Creativity)
起業家的創造性は、「クリエイティビティを発揮し、新しいことを生み出すことに楽しみや充足感を覚える」タイプです。
常に起業や独立の機会を探っているので、社内にとどめて置きたい優秀な人材であれば、新規事業や組織の立ち上げなどを任せるのも有効です。
起業家的創造性 | |
タイプの特徴 | 新しいことを生み出すことに楽しみや充足感を覚える リスクを恐れずに行動し、結果を得ることが原動力 |
目標 | 企業に属していても最終的な目標は独立・起業の道を選ぶ |
価値観 | 新しい製品やサービスの開発、組織の立ち上げ、既存事業の買収・再建などに注力したい |
思考 | 新しい製品や新サービスを開発したい 財務上の工夫で新しい組織を作りたい 新しいものが好き 創造性を大切にしたい 事業を起こしたい |
「起業家的創造性」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 起業家
- 芸術家
- 発明家
- 企画(新規事業企画)
- 商品企画
- マーケティング
- CXO
- 営業(成果報酬型)
- コンサルタント
- スタートアップ・ベンチャー企業
起業家的創造性タイプの方は、「裁量が大きい成長期前半の拡大途上企業」や「既存事業の再建に取り組む企業」「副業可能な企業」に転職するのがおすすめです。
一度企業に就職しても、将来的に独立や起業を目指すケースが多いので、「起業を目指す社員が多い人材輩出企業」といった、起業を見越せる転職先を探してみるのもいいでしょう。
⑤自律・独立(Autonomy/Independence)
自律・独立は、「規則や慣習に縛られるのが苦手」「自分のペースやスタイルを守って仕事を進めたい」タイプです。
のびのび働ける環境であれば、アイディアを発揮したり、熱心に取り組んだりでき、人の力を借りなくても自走することが得意な人が多いです。
自律・独立 | |
タイプの特徴 | 自分のペースやスタイルを守って仕事を進めたい 規則や慣習に縛られるのが苦手 |
目標 | 行動の自由度が高い環境で仕事をしたい |
価値観 | 集団行動が苦手でマイペース |
思考 | 納得のできるやり方で進めたい 人の力を借りずに仕事をしたい 1人で仕事をするのが好き 一定の規律が求められる企業・組織が苦手 上司などに叱責されたことをきっかけに離職することも |
「自律・独立」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 士業
- 研究職
- フリーランス
- クリエイティブ職(デザイナーなど)
- エンジニア
- 営業(成果報酬型)
- コンサルタント
- 外資系企業
- 芸術家
自律・独立タイプの方は、集団行動のための規則や手順、作業時間、服装規定などに束縛されることが苦手なので、働き方やペースを柔軟に決められる組織や職種が向いています。
例えば、「フレックスやリモートワークができるか」「人事評価制度が成果重視か」「裁量権が大きいか」といったポイントで企業を探すのがおすすめです。
⑥奉仕・社会貢献(Service/Dedication to a Cause)
奉仕・社会貢献は、「自分の仕事を通じて世の中をよくしたい」「社会貢献に価値を感じる」タイプです。
自分の能力を発揮して活躍するよりも、人の役に立つ仕事や自分にとって意味のある奉仕を続けて行くことを望みます。
奉仕・社会貢献タイプの中で、環境問題や地域問題に関する事業の立ち上げや起業をする人もいますが、それは手段にすぎず、彼らの根幹的な想いは「社会貢献」なのです。
奉仕・社会貢献 | |
タイプの特徴 | 社会貢献に価値を感じる 自分の仕事を通じて世の中をよくしたい 正義感が強い |
目標 | 「世の中のためになるか」に最も重要な価値を置く |
価値観 | 出世するよりも、人の役に立つことに喜びを感じる |
思考 | 社会に貢献したい 人の役に立つ仕事がしたい 誠意のあるものづくりがしたい 内部不正も見逃せない あまりよくない仕事ぶりを嫌う |
「奉仕・社会貢献」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 医療
- 介護
- 看護・社会福祉
- 教育
- 公務員
- NGO・NPO
- 団体職員
- 学校関係
- 接客業
- 監査部門
- バックオフィス部門(人事、労務、総務など)
- カスタマーサクセス・サポート
- 商品・サービス開発
- アシスタント・秘書
- サービス業(旅行、ホテル、ブライダルなど)
奉仕・社会貢献タイプの方は、「企業理念や事業内容、商品サービス、組織・人に共感でき、世の中をより良くすることができる企業か」というポイントで転職先を探してみましょう。
また奉仕・社会貢献タイプの方は、「社会を良くできるならば、これくらいの労働条件は我慢できる」と考えがちですが、転職後に長く働き続けるためにも、労働環境や待遇を重視することが大切です。
⑦純粋な挑戦(Pure Challenge)
純粋な挑戦は、「あえて困難に飛び込んで挑戦する」「刺激のある方向に前向きに進んでいく」タイプです。
誰もが無理と思うような難題や、手ごわい相手に打ち勝つことに喜びと満足感を覚えます。
純粋な挑戦 | |
タイプの特徴 | あえて困難に飛び込んで挑戦する 刺激のある方向に前向きに進んでいく |
目標 | 挑戦が人生のテーマ |
価値観 | 誰しもが無理だと思うような厳しい状況下で問題を解決することに喜びを感じる |
思考 | 不可能を可能にしたい 退屈な生活は好まない 手強いライバルと競い、自分を磨きたい ライバルが手強いほど競争心を高める 得意・不得意、専門性を問わず難しい仕事に挑戦したがる 喜んでハードワークにも勤しむ ルーティンワークのように淡々と日々をこなす仕事は苦手 異動や転職にも前向き |
「純粋な挑戦」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 営業
- 企画(事業統括、経営企画、新規事業開発)
- 管理職
- CXO
- コンサルタント
- メディア関係
- 研究職
- 大企業・グローバル企業
- NPO・NGO
- スポーツ選手
- パイロット
- エンジニア
純粋な挑戦タイプの方は、「海外も含めて活躍の場が多数ある企業」「創業・成長フェーズの企業」「多様で新しい仕事ができる環境」がおすすめです。
また、今の仕事ができるようになると次の仕事を探す傾向があり、一貫性のない多様なキャリアを積む可能性が高いのも特徴です。
そのため、転職する際は「これまでの経験やスキルを少しでも活かせるか」を考えると良いでしょう。
純粋な挑戦タイプの方は、挑戦できることが魅力なので、「貧困・食料・エネルギー関係など取り組む社会課題に共感できる企業」への転職もおすすめです。
⑧生活様式(Lifestyle)
生活様式は、「仕事とプライベートの適切なバランスを常に考える」タイプです。
仕事と家族、自分自身のニーズをうまく調和させることを大切にします。
仕事には打ち込みますが、私生活を犠牲にすることはありません。
生活様式 | |
タイプの特徴 | 仕事とプライベートの適切なバランスを常に考える |
目標 | 熱心に仕事に打ち込む一方で、子供が生まれると育児休暇を取得し、育児にもしっかりと関わりたい |
価値観 | 在宅勤務や育休制度などに魅力を感じる 予定にない残業はきっぱりと断る事ができる |
思考 | 仕事と家庭を両立させたい 仕事以外の自分の生活も大切にしたい 有給休暇はしっかりと取得したい 昇進できても、家族が犠牲になる転勤は辞退する 仕事には打ち込むが、私生活を犠牲にすることはない プライベートの充実が仕事のモチベーションにつながる 時には仕事よりも私生活を重視し、自分へのご褒美を大切する 急な飲み会には参加しないことが多い |
「生活様式」タイプの適職探し・転職活動のポイント
- 事務職
- 営業
- クリエイティブ系(編集、ライター、デザイナー)
- バックオフィス部門(人事、経理、法務など)
生活様式タイプの方は、「有給休暇」「育児休暇制度」など、福利厚生のしっかりしている企業に注目してみましょう。
また、「在宅勤務やリモートワーク、フレックス勤務」といった働き方の柔軟性、「離職率や残業時間」などの労働環境もチェックしたいポイントです。
ただし、転職活動においては、ワークライフバランスだけを重視していると判断された場合、面接に通過しにくくなるので、しっかりと志望動機も考えておきましょう。
他にも、自分で業務量をコントールできる仕事や、クライアントワークが少ない仕事、対応時間が決まっている仕事などは、プライベートの時間を確保しやすいです。
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キャリアアンカーの診断方法
方法①キャリアアンカー診断を活用する
キャリアアンカーは、Webサイトから簡単に診断できます。
40個の質問に答えるだけで自分のタイプを知れるので、空き時間で診断してみましょう。
方法②チェックシートを活用する
キャリアアンカー診断をする際、チェックシートを活用する方法も有効です。
診断結果を見返せるようにしておきたい方におすすめの診断方法です。
方法③以下の3ステップで自己分析する
まずは、過去の経験を振り返ってみましょう。
- これまでの人生で最も楽しかった仕事、やりがいを感じた仕事は何でしたか?
- 反対に、どんな時に仕事で不満やストレスを感じましたか?
- 学生時代の部活動やボランティア活動で、熱中したことは何ですか?
- 仕事以外の趣味や活動で、時間を忘れるほど熱中できることは何ですか?
これらの経験から、あなたが どんな時に喜びや充実感を感じるか を具体的に書き出してみましょう。
次に、あなた自身の強みと弱みを分析してみましょう。
- あなたはどんな仕事が得意ですか?
- 周囲からはどんな人だと言われることが多いですか?
- どんな能力をもっと伸ばしたいですか?
- 反対に、どんな部分が苦手だと感じますか?
自分の強みや弱みを理解することは、キャリアアンカーを見つけるための重要な手がかりになります。
最後に、あなたが理想とする働き方を具体的にイメージしてみましょう。
- どんな仕事内容に携わりたいですか?
- どんな会社で働きたいですか?
- どんな役割を担いたいですか?
- ワークライフバランスをどのように実現したいですか?
理想の働き方を具体的にイメージすることで、自分が仕事に求める価値観や優先順位が見えてきます。
これらのステップを通して、 自分が仕事において本当に大切にしたいこと を明確にしましょう。
キャリアアンカーは、あなたの人生における羅針盤のような役割を果たします。
焦らず、時間をかけて自分自身と向き合ってみてください。
キャリアアンカーを知るメリット
個人のメリット
自己分析で満足度の高いキャリアや働き方を知ることができる
キャリアアンカーを知ることは、自己分析にも繋がるため、満足度の高いキャリアや働き方を知るきっかけになります。
すなわち、キャリアアンカーを知るということは、転職で何を実現したいのかを示す「自分のブレない軸」を把握できるということです。
自分の価値観を知ったうえで転職活動を行うと、給与や肩書などの表面的な要素に囚われず適職を探せるため、ミスマッチの防止に繋がります。
自身のこれまでのキャリアに関して、質の高い振り返りができる
キャリアアンカーを知る際、社会人になってからの経験を振り返り、職務内容や実績などを整理する必要があります。
そのため、「自分は何をもって意思決定をしているのか」「欲求の根源は何か」「強み弱み」など、自己分析では見えてこなかった要素をを客観的に把握できるでしょう。
キャリアの棚卸の質が高まることで、目の先の欲求だけを叶える転職活動ではなく、将来を見据えた転職活動ができるようになります。
転職活動においても様々なメリットが得られる
- 自分にとって本当に重要な価値観が分かる
自分のキャリアアンカーを理解することで、仕事選びの際に何を重視すべきか、明確な基準を持つことができます。 - 理想の仕事を見つけやすくなる
自分の価値観に基づいて仕事を探せるため、本当にやりがいを感じられる仕事を見つけやすくなります。 - 転職活動がスムーズに進む
自分のキャリアアンカーを明確にすることで、転職活動の目的や方向性が定まり、無駄な時間や労力を削減できます。 - 面接でアピールできる
面接では、自分のキャリアアンカーを伝えることで、仕事に対する熱意や能力を効果的にアピールできます。
例えば面接でこんな使い方があります。
専門性を重視する人の例
私は専門性を追求することが重要だと考えています。これまで培ってきたプログラミングスキルを活かして、新しいサービス開発に携わりたいと考えています。
管理能力を重視する人の例
私はチームをまとめ、組織を成長させることにやりがいを感じています。リーダーとして、チームメンバーの能力を最大限に引き出し、目標達成を目指したいです。
企業や組織のメリット
ミスマッチを防ぐことができる
企業や組織が社員のキャリアアンカーを知ることで、ミスマッチを防ぐことができます。
例えば、人事担当者が人事配置を考える際、社員が人の役に立つことに喜びを感じる「奉仕・社会貢献」タイプとわかっていれば、人事や労務、総務などのバックオフィス部門に采配できます。
このように社員の適正を把握することで、適材適所の采配がしやすくなります。
離職率の改善につながる
企業や組織が社員のキャリアアンカーを知り、最適な采配を行うことで、個々のモチベーションアップにも繋がるため、離職率低下も期待できます。
例えば、技術力を高められる能力のある社員にも関わらず、人事や労務、総務などのバックオフィス部門に采配してしまうと、その社員は不満を抱いて転職を考えるでしょう。
転職が当たり前になっている昨今だからこそ、キャリアアンカーを把握し、社員一人一人に寄り添って適切な采配をすることで、社員を定着させることができます。
社員のパフォーマンスを引き出せる
企業や組織が社員のキャリアアンカーを知り、適した配置をすることで、社員のモチベーションを最大化できます。
一人ひとりが意欲的に働くことで仕事のパフォーマンスも向上するため、会社全体の生産性向上も期待できるでしょう。
また、モチベーションが向上すると、責任感や向上心を持って仕事に取り組みやすくなるため、より雰囲気の良い職場環境構築にも繋がります。
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キャリアアンカーの活用方法(活かし方)
個人の活用方法
自己分析に役立てる
キャリアアンカーは、「キャリアにおいて重要視していること」や「求めている働き方」など、自分自身を理解することに役立つでしょう。
今の仕事が合わないかも…
将来を見据えて転職したい
と考えるときに、キャリアアンカー診断は有効です。
個人と企業のマッチを測る
キャリアアンカーとキャリアサバイバルと一緒に活用することで、個人と企業のマッチを測ることに役立ちます。
キャリアサバイバルとは、環境や組織のニーズを分析し、個人のキャリアアンカーと組織のニーズを調和させる考え方です。
組織のニーズにも目を向けることで、企業と自身のキャリアアンカーがマッチするかどうかがわかり、自分が活躍できる職場を選びやすくなります。
企業や組織の活用方法
採用活動に使う
キャリアアンカーを活用することで、応募者の仕事に対する価値観や望む働き方を把握でき、ミスマッチ対策に繋がるため、中途の採用活動を行う際に役立ちます。
また、個々に適した配属先を把握することもできるので、採用した人材の離職防止にも繋がります。
新人研修・中堅社員の育成研修に活用する
キャリアアンカーは、新人研修や中堅社員の育成研修に活用できます。
キャリアアンカーが形成されるのは一般的に30歳前後なので、新人研修ではキャリアアンカーの概念を教え、譲れないポイントや基準の作り方などを意識させましょう。
一方、中堅社員の育成研修では実際に診断を行い、キャリアの見直しに活用しましょう。
人員配置や人事異動に際してのアドバイス
キャリアアンカーは、社員のタイプ・傾向を理解できるので、人員配置や人事異動に活用できます。
例えば、今の仕事を辞めたいという社員がいた場合、キャリアアンカー診断を行ってもらうことで適切な配置ができ、離職を防げます。
また診断後、さまざまな知識を身につけたい「純粋な挑戦」タイプの社員であれば、人事で配置を決めるのではなく、直接本人に仕事を選んでもらうのもおすすめです。
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キャリアアンカーを転職活動に活かすときの注意点
キャリアアンカーと職業を直結させない
キャリアアンカーは、職種ごとの傾向を表した概念ではないので、職種を決めるためのツールとして使うのは避けましょう。
あくまでも「キャリアにおいて譲れないポイント」を明確にする自己分析の一つと認識することが大切です。
キャリアアンカーの説明で例示されている職種は参考程度に捉え、自分自身を知るためのツールとして活用しましょう。
一度の診断結果だけが絶対的な分類ではない
キャリアアンカーは、一定のキャリアを経て形成されるものなので、おおよそ30歳前後までは変わる可能性があります。
そのため、30歳前後までにキャリアアンカー診断を行った場合、一度の診断結果だけキャリアアンカーを決めつけないようにしましょう。
キャリアアンカーは一定年齢以上になると変化しにくくなるからこそ、今後のキャリアを決めるための指針に活用できるので、30歳前後までは定期的に見直すのがおすすめです。
どのタイプが良い・悪いということはない
キャリアアンカーは、あくまでもキャリアに対する価値観であり、どのタイプが「良い」「悪い」ということはありません。
そのため、キャリアアンカーだけを参考に社員の昇進を決定したり、本人の希望を考慮せずに配属を決めたりしてはいけません。
例えば、「純粋な挑戦タイプは意見をまとめることが苦手だから、経営管理能力タイプだけをマネージャーにする」というように、診断結果だけで社員の価値観を決めて采配しないようにしましょう。
社内で共有して、個々の強みとして活かす
キャリアアンカー診断を全社員に行ってもらったにも関わらず、本人と人事だけが社員のキャリアアンカーを知っているだけでは、十分に活用したことにはなりません。
社員それぞれの上司や部署・チームにキャリアアンカーを共有することで、お互いの強みと弱みを把握でき、足りない部分を補い合う雰囲気が自然と生まれるでしょう。
社会経験の乏しい学生に使用するのは誤り
先述したように、キャリアアンカーが形成されるのは一般的に30歳前後なので、社会経験の乏しい学生や新卒の社員に診断を受けてもらうのは誤りです。
社会経験の乏しい学生の選考に使用したり、入社直後の新入社員に診断を受けさせたりしても、入社後のさまざまな経験によって診断結果は変わるので参考になりません。
採用時の選考に取り入れたい場合は、中途採用で使用するようにしましょう。
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キャリアアンカーに関する本
『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』エドガー H・シャイン 著/金井壽宏 訳(白桃書房)
『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』は、キャリアアンカーについて本格的に学びたい方におすすめの本です。
キャリアアンカーの概念や、8つののタイプを測定できる質問票が掲載されており、キャリア選択や決定に役立つでしょう。
『キャリア・アンカー〈1〉セルフ・アセスメント』 エドガー H・シャイン 著/金井壽宏・高橋潔 訳(白桃書房
『キャリア・アンカー〈1〉セルフ・アセスメント』は、「大きな方向性を確認したい」「自分がどのような方向性に進みたいのか確認したい」と思う人に向けた本です。
キャリアアンカーを探るための「セルフ・アセスメント(自己評価)」をテーマにした一冊です。
キャリアアンカーに関するよくある質問
- キャリアアンカーの診断結果は変わる?
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キャリアアンカーを30歳前後までに診断すると、結果は変わる可能性があります。
一方、30歳前後以降の診断結果は変わりにくいと言われています。
- キャリアアンカーに複数当てはまる場合は?
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キャリアアンカーは、1人につき1つのアンカーのみ当てはまることを前提としています。
ただし、どうしてもアンカーを1つに絞れない場合は、仕事を選択する場面を系統立てて具体的にイメージするとアンカーの優先順位が決めやすくなります。
- キャリアアンカーとは簡単に言うと?
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キャリアアンカーとは、「キャリア形成において譲ることのできない価値観」です。
- キャリアアンカーが注目される理由は?
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昨今では、人材流動性が高まり、働き方に対する考えも変化しているので、より自分らしく働ける企業や職種を選択するために、キャリアアンカーが注目されています。
- キャリアアンカーがわからない場合はどうすれば良いですか?
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- 自己分析ツールや診断テストを活用する
キャリアアンカー診断テストを受けることで、自分の価値観や強みを客観的に把握することができます。 - 過去の経験を振り返る
これまでの人生で、どのような時に喜びや充実感を感じてきたのか、どのような時に不満やストレスを感じてきたのかを振り返ってみましょう。 - 信頼できる人に意見を聞く
家族や友人、同僚など、信頼できる人に自分の強みや弱みについて意見を聞いてみましょう。 - キャリアカウンセリングを受ける
専門家のアドバイスを受けることで、自分のキャリアアンカーを明確にすることができます。
- 自己分析ツールや診断テストを活用する
- キャリアアンカーと適職は同じものですか?
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キャリアアンカーと適職は、厳密には同じものではありません。キャリアアンカーは、仕事を選ぶ上で譲れない価値観や欲求を指しますが、適職は、能力や経験、性格などを考慮した上で、その人に最適な職業を指します。キャリアアンカーを理解することは、適職を見つけるための重要なヒントになりますが、適職を判断するためには、能力や経験、市場のニーズなども考慮する必要があります。
- キャリアアンカーは転職活動以外でも役立ちますか?
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キャリアアンカーは、転職活動だけでなく、キャリアプランニング全般に役立ちます。現在の仕事に満足している場合でも、自分のキャリアアンカーを理解しておくことで、今後の方向性を考える際に役立ちます。また、キャリアアンカーは、仕事におけるモチベーション維持や、ワークライフバランスを考える上でも重要な指針となります。
- キャリアアンカーを変えたい場合はどうすれば良いですか?
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キャリアアンカーは固定されたものではなく、変化していく可能性があります。もし、今のキャリアアンカーに違和感を感じ、変えたいと思うのであれば、新たな経験や学びを通して自分の価値観や優先順位を再認識していく必要があります。新しいことに挑戦したり、異なる分野の人と交流したり、専門書を読んだりする中で、自分が本当に大切にしたいことが見えてくるでしょう。焦らず、時間をかけて自分と向き合い、変化を受け入れていくことが大切です。
キャリアアンカーの種類と探し方のまとめ
今回は、キャリアアンカーについて、8つの分類や診断方法、適職探しでの活用法を徹底解説していきました。
キャリアアンカーとは、キャリア形成において譲ることのできない価値観を意味します。
キャリアアンカーを知ることで、転職で何を実現したいのかを示す「自分のブレない軸」を把握できるので、転職を検討している方はこの機会に診断を受けてみてください。
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